ルビンの壺が割れたを購入しました。
普段あまり小説などは読まないのですが、この本の紹介”この小説がすごすぎて担当編集ではコピーが付けられず、読者の力を借りるために 全文を公開することにした”というのを読んで興味が持ちました。
コピーがつけられないってある意味すごいコピーですし発売前に全文をネタバレをしないという事で公開したのも凄いと思います。
そしてようやくルビンの壺が割れたの発売日8月22日が来ましたが・・・
普段マンガを購入するときは、電子書籍+割引価格で購入していますので、20%オフの時まで待ちました。
ルビンの壺が割れた あらすじ
すべて、フェイスブックのやり取りしかなく、
男:水谷一馬
女:未帆子(みほこ)
とのやり取りで話が進んでいきます。
分かりやすいようにそれぞれ送ったメッセージにマークを付けておきます。
水谷がたまたま、フェイスブックを覗いている時に過去の恋人未帆子をたまたま見かけます。
ただ、過去の恋人といっても約30年も前のことなので、当然水谷は核心がなく、未帆子の過去の記事・友人知人の記事を読みあさり、旅行の時の写真にネックレスがありそれを見て確信し、未帆子にメッセージを送りました。
当然、未帆子からの返信はありません
1通目のメッセージから1年後、水谷の現状と未帆子との出会った大学生時代の思い出話があります。ただ、水谷は未帆子の事を29年前に死んでいると思っていました。
またまた、未帆子からの返信はありません
3通目の水谷のメッセージ。人間ドックに行き小さなガンが見つかり今までの半生を振り返り、人生をやり直したいと思い、もし人生をやり直せるなら未帆子と挙げるはずだった結婚式の日。
未帆子が来なかった結婚式の状況や苦しみ、3年後、風の噂で未帆子が結婚したと聞きました。
追伸 前のアカウントは消して新たなアカウント名で登録しなおしました。
ようやくここで、未帆子からの返信がありました。
水谷からのメッセージに返信できなかったのは、本当に水谷なのか疑っていた為で、結婚式の2日前のやり取りを書かれていたので水谷と確信しました。
そして、大学時代の演劇部のやり取りが書かれており、水谷が部長で未帆子が後輩という懐かしい思いで話になります。
未帆子から返信がうれしかった水谷。手術をしていた為、メッセージに気が付くのが遅く、病室のベットの上で過去の事ばかり考えていました。
未帆子は、土日の練習は休み老人ホームでボランティア活動をしていることは今でも覚えているし、未帆子のわざと下手そな芝居をしたことも見抜いていました。
未帆子からのメッセージで、大学時代の演劇部の話が懐かしく未帆子から見た水谷の演技に対する姿勢や憧れがつづられます。
水谷は、未帆子からどう思われているのか照れながら、未帆子の事を意識したのは水谷が台本と演出をした「ルビンの壺が割れた」のオーディション時。
最初は、演出補佐の宮脇君が相手役をしていたのですが、宮脇君の演技ではイマイチ。かわりに相手役に名乗り出たのが未帆子。
本来は、オーディションなのでオーディションを受けに来た子を審査しなければいけないが、未帆子の演技があまりにも素晴らしいため、オーディションに受けにきた子そっちのけで、未帆子を見ていました。
演劇部の思いと未帆子の演技力の高さが伝わるメッセージ。
未帆子から、水谷のメッセージに照れながら子供のころ30分ぐらいのドラマを一人で演じたことがあるので演技が好きだったが、顔は人並み・背は低く・スタイルだってイマイチ。
だからこそ、「ルビンの壺が割れた」のヒロインがうれしかったし、水谷の才能に感服していました。
水谷は、ヒロイン決まった頃の心情を教えてもらいさらに演劇部の話をすすめます。「ルビンの壺が割れた」の袖裏でのハプニングや大成功し多くの人から褒めてもらったこと未帆子の演技力があったからこその成功。
ただ、未帆子の事を女性ではなく、女優としてしか見ていなかった。
その理由が、婚約者がいたから。
水谷が中学生の時に両親がなくなり引き取ってくれた叔父さん
その叔父さんの所には、叔母さんの連れ子 優子がいて中学・高校と4人で住んでいましたが、大学生になったある日。
優子が水谷の事が好きで、結婚してくれと叔父さんに頼まれます。
育ててもらった恩があるため、その返事を受け優子と婚約することになりました。
でも今は、優子の事は未練がなく今思うのは未帆子の事で、結婚式前日のやり取りや水谷の中では未帆子は死んでしまったことにしなければ辛かった。
たが30年の歳月で恨んでいた心もなくなり未帆子の幸せが長く続くことを祈っています。住所を追伸で聞いてきます。
未帆子からの返信は無し
水谷は、前のメッセージで結婚式の話をしたからかなのか、優子との肉体関係の話が不愉快にさせてしまったからなのか、どちらにしろ返信がなかったのであやまりました。
未帆子が返信しなかったのは、前回送ったのメッセージがあまりにも恥ずかしく自己嫌悪に陥ったためで、水谷とは違う世界に生きているのに馴れ馴れしい事を書いて反省していました。
前のメッセージから水谷の事が気になっておりこの30年どのような生活をしていいたのか?肉体的よりも精神的な苦しみが大きかったと思います。
30年前の行動は常軌を逸してものかもしれませんが、間違っていなかったと思います。
水谷を恨んでいましたし、自分の人生がこなごなにされたと思っていましたが、今では恨んではいません。
水谷は未帆子からのメッセージが来たことがうれしく、演劇部でのキャンプに行った日、未帆子と抱きしめた事を詳しく書き、あの日のことを何度でも思い出します。
名前を教えて欲しいと追伸で残します。
未帆子は水谷とやり取りをしていると、学生時代に戻ったような不思議な感覚になり、キャンプの日も覚えていました。
ただ、あまりその話には触れて欲しくありませんでした。
水谷からのメッセージは、未帆子と結婚式直前まで行った仲だか今は完全な他人。
ロマンチックな話は申し訳なかったとしつつも、演劇部の公演はすばらしく、最優秀賞を受賞し、大学生から劇団を立ち上げるためのスポンサーになっても良いという人が現れてくれました。
しかし、優子の存在が大きく立ちはだかります。
未帆子と出会う1年前、体に不調を覚え病院に行くと梅毒といわれました。
性体験は優子以外なく、優子に問いだ出しましたが優子から「あたなじゃないの?」と逆に責任を押しつけられ別れ話を切り出しました。
ただ、優子は別れたくなくそのまま婚約を解消せずにいました。
未帆子と付き合う前に優子との問題を整理しなければいけないと、叔父さんに婚約の解消をしようと考えていました。
未帆子は優子さんと会ったことはありませんが、優子さんの言い訳は本当のような感じを受けました。
まずは、前のメッセージで中途半端なところで送ったことを詫びて、優子の話を続けます。
叔父さんに優子と別れる話を切り出すも猛反対され、家の残っている荷物をまとめて出て行けと言い渡されてしまいました。
次の日引っ越しのさなか、優子に貸していたモノを返してもらおうと部屋に入り、たまたま見つけた日記を手に取ってしまいます。優子の相手の男の事が書かれているかもしれないと思い日記を読むと、相手の男は叔父さんでした。
叔父さんと優子は血がつながっていない娘で中学時代から肉体関係にあり、優子は私と婚約関係にありながら叔父さんに抱かれていたのです。ただ、私の事は好きな気持ちは日記から読み取れました。
今度は、叔父さんの部屋に入り小さな金庫を見つけ無理やり金庫を破壊しました。
その中には、優子の裸のポラロイド写真があり中学生や大学時代のものまで。
叔父の家を出てから三日ぐらいは自分が何をしていたのか記憶にないぐらいです。
演劇部では、大学か劇団にするかの選択を部員に迫り13人の人が劇団の道へ進むことになりました。スポンサーへ挨拶を済ませ大きな金額とともに契約しましたが、宮脇君に契約金を持ち逃げされてしまいました。
契約金を持ち逃げされたということで、スポンサー契約もご破算となり、劇団の夢は消えてしまいました。それでも未帆子さんは「あなたの夢を支えたい」と一緒にいてくれたのを覚えています。
そして、優子の事とスポンサー契約よりも悲惨なことが、あの結婚式です。
式場にこなかった未帆子と高尾君。
そのことが30年間ずっと気になっているのです。
未帆子は結婚式の日高尾といたことは認めましたが、水谷が思っている理由ではなく、高尾と恋人でも無い事を強調し、今さら結婚式の話はしたくないとの事。
どうしても、未帆子から理由を知りたい水谷。
後輩から、未帆子のよからぬ噂を聞いた為、その事実を確かめるため未帆子の後を尾行し、行先をつきとめました。そこは「ソープ」でした。
未帆子は水谷にソープの事は気がついていないと思っていました。
隠しても仕方がないので、ソープに働いているわけを説明しました。
高校三年生の時に父の事業が失敗し、会社が倒産し破産となりました。
そんな時に実家のソープでアルバイトをしないかと持ちかけてきたのが高尾でした。
大学への学費を稼ぎたいために、ソープで働くことになりました。
水谷は、未帆子の答えに感謝し、大学時代ではあえてそのことには触れないでおきました。未帆子を受け入れ許すと決めました。
未帆子は”許す”という言葉に不愉快になり、激怒しました。
ソープで働いていたことを知っていたのにもかかわらず、付き合っていたことを驚いており、もし水谷がソープの事を知っていたら別れていた。
どんな男性でもソープで働いていたことを責めると思うが責めもしないなんて、私の理解を超えている。
水谷は、”許す”という言葉を使ったことを謝り、責めなかった理由はソープという仕事だからで、浮気ではないと思っていたから。
ただ、ショックを受けたのは、演劇部の一部の男子が未帆子の店に行っていたことで人間不信になりました。
半年の間に優子や未帆子に裏切られたことが不幸の原因だと思っています。
未帆子は水谷が不幸だと思っている原因は優子や私では無く、水谷自身であり、むしろ水谷に関わった人たちの方が悲劇である。
そして、ついに結婚式に出なかった理由を書き始めます。
水谷にアパートで待っていてくれと言われ、アパートで待っていたらふと水谷の机が気になり引き出しを開けてしまいました。
机の中には、小さな髪飾りがあり、目に留りました。
家が破産後、母がため息ばかりつきながら髪飾りを作り続けていました。それ以来 未帆子は髪飾りを見ると母の光景が脳裏に蘇るのです。ですので、街を歩いていても髪飾りに目が行ってしまうのです。
水谷の机の中にあった髪飾りに見覚えを感じました。
そして、どこで見たか思い出しました。それは交番の前の掲示板。
半年前に行方不明になった幼い女の子の髪についてたものでした。
その髪飾りを持ち、交番の前へ行きポスターの髪飾りと見つけた髪飾りを見比べましたが、まったく同じでした。
高尾に電話し、髪飾りの事を相談しました。一度髪飾りを元の場所に戻して警察へ。そして関西で息をひそめるように暮らしていました。
その半年後、テレビのニュースで水谷が幼女殺人容疑で逮捕された事を知り、過去にも幼女に対するわいせつ罪があることも知りました。
二年半前に突然、水谷からメッセージが有ったときは驚くと同時に恐怖を感じました。無期懲役と聞いていたが30年足らずで仮釈放されたんですね。
恐る恐るメッセージのやり取りをして、メッセージのやり取りをするうちに水谷が真人間に生まれ変わったのだと思いました。
でもそうではありません。
刑務所の中で自分の犯罪は誰かのせいだとずっと思っていたんですね。
沢山のメッセージを送ってきたのも私に認めさせたかったからで、優子さんも私も何の関係もありません。
優子さんの名前が出たので、知り合いに優子さんの消息を調べてもらいました。
昨年の秋に突然、謎の失踪をしていることがわかりました。水谷がアカウントを消された頃です。このメッセージを送信後、これまでの水谷とのやり取りをプリントアウトし警察に行くつもりです。
そして、最後のオチが待っています。
(最後のオチだけは、伏せさせていただきます)
あらすじなので、かなり表現方法を削っていますし、伏線も削ってあります。
まさかの展開と思われたら、ぜひ本を購入して読んでいただけたらと思います。
ルビンの壺が割れた 感想
最初の、結婚式にに来なかった話に興味をそそられ、話を読んでいきますが、なかなか結婚式の話が出てきません。
大学時代の演劇部の話などどうでも良いので、早く結婚式にこなかった理由が知りたいのですが、50代の肉体関係などの話が出てきて不愉快な気分になりましたが、二人の関係を深く語られながら、優子の件や横領事件などの事件が起きていきます。
水谷の丁寧な文章と、周りの悲惨な状況がドンドン出てきますし、状況がコロコロと変わっていきます。
そして、話を進めるうちにいくつもの伏線があったことに気がつきます。
未帆子が悪いのではと思っていたら水谷の方が悪く感じます。
そして、語られることのない優子のその後ですが、アカウントを削除した頃に消息を絶っているというだけしかわからないのにもかかわらず、いろいろ想像を掻き立てられますよね。
ちなみに、旦那は水谷と優子がやり取りをしてしまい、水谷の文章につられ合ってしまったんだと想像しています。
今回 コピーを考えつかないという宣伝?が良くて本を読むキッカケになったので売り方が上手いと感じました。たぶん面白いや先の読めない展開などありふれているコピーだとココまで話題にならなかったと思いますし、購入しなかったと思います。
フェイスブックという実名でのやり取りにかなり怖くなりますし、フェイスブックしていなくて良かった!
みみちゃんの感想

電子書籍って良いですよね。
今回の「ルビンの壺が割れた」は本だと1,080円
電子書籍だと1,080円に20%オフに80ポイントGET!